「色を選ぶのではなく、育てること。」
私たちの仕事は、色見本の中から望みの青を選ぶことではありません。
土を耕し、種をまく。
そんな泥臭い「普段」の営みから、すべては始まります。
藍色が生まれるまでに、めぐる季節はちょうど一年。
私たちは、この長い歳月そのものを
一着の服へと、静かに、大切に閉じ込めています。
これから始まる、藍と私たちの、一年の物語。

「効率の、正反対にある色。」
奈良の地で春に種をまき、夏の盛りに収穫する。
私たちは、藍の葉に宿る土の生命力を、
ただ真っ直ぐに信じています。
一滴の染料を一年かけて育む、効率とは無縁の場所。
現代のものづくりとはあまりにかけ離れた、
その歩みの遅さこそが
INDIGO CLASSICの「美」の源流です。
特別な一日ではなく、
あなたの何気ない「普段」を静かに彩るために。
私たちの色は、この土の上から始まります。

「猛暑、三ヶ月の誠実。」
七月から九月。照りつける太陽の下、
私たちは収穫した藍を、葉と茎に分ける「藍粉成し(あいこなした)」を行います。
冬の蒅(すくも)作りまで大切に保存できるよう、
藍の葉のみを選び、乾燥させておく。
猛暑のなか、三ヶ月にも及ぶこの泥臭い農作業こそが、
私たちの理想とする青へと近づくための、
たった一つの近道だと信じています。

「大安。百日の、はじまり。」 
収穫を終えたら、暦の良い大安を選んで。
私たちの「百日」が、いよいよ始まります。
発酵し続ける藍の葉に、一日の休みもありません。
ただひたすらに、
藍が自ら蒅へと変わる時間を手助けする。
長い年月を経て辿り着いた、
INDIGO CLASSICにとって最も大切な
「普段」の風景です。

「藍との、対話、ときどき、お手伝い。」

蒅(すくも)をかき混ぜる「切り返し」は、
いわば、藍の健康を整える仕事。
微生物が心地よく呼吸できるよう、
水を打ち、空気を混ぜる。
私たちがしているのは、特別なことではありません。
藍が自ら美しくなろうとする力を、
少しだけ、手助けする。
それこそが、私たちの「普段」です。

「日常の向こう側に、宿る美。」
藍は、生きている。
蒅(すくも)づくりから始まった発酵の営みを、
瓶の中でもう一度、繰り返す。
私たちの「普段」であるこの地道な作業が、
引き上げた瞬間、
鮮烈な青へと変わる「美」を生み出します。
酸素を吸い、一気に発色するその様は、
一年という歳月が、一着の服に「実る」合図。
この特別な青を、あなたの何気ない日常へ。
手間を惜しまぬ日々こそが、
揺るぎない美しさを形作るのです。

「普段」を、重ねる。
一度染めただけでは、求める「美」には届きません。
染めては酸化、また液へ。
求める色まで繰り返します。
この反復こそが、私たちの「普段」です。
重ねるほどに青は布の奥へと染み込み、
幾層もの時間を纏った深みへと育ちます。
地道な日々の積み重ねが、
いつかあなたの日常を美しく彩るために。
私たちは今日も、ただ静かに手を動かし続けます。

「美」を、一着の「普段」へ。

最後の一片は、
この色に相応しいプロダクトであること。
つくり手の顔が見える
「メイドインジャパン」にこだわります。
猛暑に命を懸けて収穫し、冬の寒さに藍を醸す。その一年分の敬意を、価格競争にさらしたくはありません。
この色を受け止めるに足る、真摯な仕立て。一年の歳月を纏う「美」を、あなたの何気ない「普段」へ。
それが、私たちの考える誠実なかたちです。

「 普 段 と 美 」

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